賃貸住宅に入居する場合、一般的には不動産屋さんに行って物件を内覧して契約手続きを行うことになります。
そして契約手続きを行ったあと、不動産屋さんが火災保険のパンフレットや申込書を出してきて加入の手続きを行うことになります。
ここで問題です。
この加入手続きは断ることができるでしょうか?
早速解説していきます。
なお、賃貸住宅で加入する火災保険の概要についてはこちらをご覧ください。
不動産屋さんでの火災保険加入手続きは断れる?
基本的に断ることができます。(断れないタイプを見たことないだけでもしかしたら無理なパターンがあるかもしれません)
賃貸借契約をおこなう前に、不動産屋さんが配置している宅地建物取引士が重要事項説明を書面を交付して説明(読み上げる)ことになっています。
そして、重要事項説明書の条文のどこか、もしくはその他特約条項欄に必ずと言っていいほど火災保険に関する次の文章が記載されています。
重要事項説明書に記載されている文言
乙(一般的に借主を指します)は入居日までに借家人賠償責任補償特約付火災保険に加入しなければならない。
ここでチェックするべきはあくまでも「加入しなければならない」というだけです。
つまり、契約手続きをする不動産屋さんで加入しろとは一言も書いていないわけです。
なので、不動産屋さんの宅地建物取引士がここを読み上げたときには次のように対応してください。
乙は入居日までに借家人賠償責任補償特約付火災保険に加入しなければならない。
文言に保険会社等の指定がないのでどこで加入しても大丈夫ですか?
基本的に、不動産屋さんとしては無理に加入手続きを行うことはできません。
不動産屋という立場を不当に利用した圧力募集(保険業法で禁止されています)となってしまうからです。
なので、入居予定者は不動産屋さんでの加入手続きを断ることができます。
ただし、火災保険に加入しなくていいわけではなく、加入後に発行される火災保険証券の提示を求められることもあるので、必ず加入はするようにしてください。
重要事項説明書に記載されている限り火災保険の加入は入居者の義務となります。
不動産屋さんでの火災保険の加入を断るメリットとデメリット
メリットは?
大きく次の3つがあると思います。
不動産屋さんでの加入手続きを断るメリット
- 安い保険料で加入ができる
- 補償が柔軟に選べる
- 保険期間が選べる(1~5年)
以下、それぞれ説明していきます。
また、以下不動産屋さんで加入する場合の保険会社を「不動産屋さんの保険会社」、その他の保険会社(損保ジャパンなど)を「民間の保険会社」と表記します。
1.安い保険料で加入できる
私が実際に賃貸契約を行った際に提示された保険料との比較です。
不動産屋さんの保険会社と民間の保険会社の保険料比較(同一補償、同一保険金額)
- 不動産屋さんの保険会社・・・2年で2万円
- 民間の保険会社・・・5年で1万円
不動産屋さんの保険会社で加入すると1年あたり1万円、民間の保険会社は1年あたり2千円です。
どう考えても後者のが保険料にメリットがあります。
2.補償が柔軟に選べる
補償内容や保険金額などのプランが不動産屋さんの保険会社では固定。民間の保険会社では柔軟に決めることができます。
例えば不動産屋さんの保険会社で加入する場合、保険金額は200、300、400万から選択。
補償はつけ外しが不可能というものが一般的です。
しかし、民間の保険会社では保険金額はいくらでもOK(50万円とかでもいけます)。
補償も最小限のみにして保険料を抑えることができます
3.保険期間が選べる
一般的な不動産屋さんの保険会社では2年契約しかできません。
これは不動産屋さんが扱っている保険会社「少額短期保険会社」のルールにより、損害保険は2年までというルールがあるからです。
一方、民間の保険会社で借家人賠償付火災保険に加入する場合、最長5年まで加入することができます。
もちろん長ければ長いほど割引がきくので5年も住む予定がなくても5年で加入するとお得になります。
もし短期間で退去することになっても解約手続きを行えば残り期間の保険料も返還されますのでご安心ください。
デメリットは?
場合によっては全部自分で手続きをしないといけない。
これに尽きると思います。
もちろん自分でほけんの窓口等に行って書類を出せば、あとは担当者がやってくれるため大した労力にはなりません。
ですが、自分でネットで手続きするとなると保険金額の妥当性や補償の要不要など考えることがたくさん発生します。
しかし、それも保険のプロに要望を伝えて頼んでしまえばこちらは最後に署名をするだけでほとんどおしまいです。
なので、デメリットはほとんどないのではないでしょうか。
さいごに
今回は借家人賠償責任補償特約付火災保険に安く加入する方法でした。
今回のポイントは次の通りです。
今回のポイント
- 不動産屋さんでの火災保険契約は断れる(火災保険に加入しないでいいわけではない)
- 賃貸契約前の重要事項説明で不動産屋さんに火災保険についてつっこむ
- 民間の保険会社にすると保険料・補償内容・保険期間すべてにおいてメリットが得られる
基本的に家計を圧迫する保険料は抑えたいものです。
小さくても積み重ねることで家計の救いになると思っています。
この記事で皆さんの家計が少しでも変わればと思っております。
ここまで読んでいただいてありがとうございました。
にほんブログ村
コメント